江藤有希
ヴァイオリニスト、作・編曲家

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リオ篇 2月15日(日)

2004.2.15 更新

この日はエポカ・ジ・オウロのギタリスト、セザール・ファリャの85歳の誕生日。コバウでパーティライブがあるとホナウドに誘われ夕方、会場へ。コバウは
常設野菜市場。その一角にいくつか飲食店があって、その中のひとつ『エスピリト・ド・ショッピ』では毎週ショーロ・ライブが行われている。今日はその場を借りて、という形。
一応楽器は持って行ったものの、まぁすごい人たちが出演するでしょうから、関係者から「弾くの?」と聞かれても「わ、わかりません」と答えてしまった。ホナウドが到着し「弾くんだよ」と言われ、覚悟を決める。

続々とミュージシャンが集まり、ライブも始まる。毎週演奏しているグルッポ・サラウはまだ20代前半のブルーノ・ヒアン(お父さんが有名なバンドリン奏者
デオ・ヒアン)がひっぱっている。お父さんゆずりの端正さに遊び心も加わっていて素晴らしい。でも後ろにどんどんミュージシャンがひかえているので慌ただ
しく交代。
エンヒーキ・カゼス登場。そしてバンドリンのジョエル・ナシメント登場。この人の演奏大好き!エンヒーキと一緒に何曲か演奏。相変わらず自由にやらかしてくれます。そしてクラリネットのパウロ・セルジオ・サントスだ!さすがです。パウロ・セルジオの演奏はCDで聴いてとても好きだったけど、やはり素晴らしい。

さて、なんだかすごい人ばかりステージに出て来るけど、あんまりすごい人たちの後で呼ばれるのもなぁ・・と思いつつ楽器も用意して待っているがいっこうに
呼ばれない。するとホナウドが「エポカ・ジ・オウロが一曲弾いたら君を呼ぶからね」と言う。あ、そうですか。え?あ~・・と、一瞬意味がわからなかった。

そして。エポカ・ジ・オウロ登場。みんなリラックスした服装で配置につく。
そして音が出ると・・抜群のアンサンブル、ホナウドの素晴らしいソロ、七弦トニの遊び心、ジョルジーニョのアグレッシブかつ揺るぎないグルーヴ!幸せ気分倍増。と、ここで本当にホナウドに呼ばれる。なんと、エポカ・ジ・オウロをバックに演奏することになってしまったのだ。
お客は満員。立ち見も大勢。客席には先程の演奏者やヤマンドゥ、デオ・ヒアン、アミウトン・ジ・オランダもいる。さすがに緊張するが、エポカの音が鳴り始めた途端、幸せになった。「ヴィブラソニス」「サンバのレシピ」を演奏。後ろでトニの七弦低音がうなる。きゃ~楽しい!メンバーとアイコンタクトしながら、時にトニがソロをとったりホナウドがからんできたり。老練セザールや昨日知り合ったカルリーニョスと一緒に弾けたのも貴重な経験。演奏が終わりいっきに緊張がとけると共に色々な人から声をかけられた。
この二曲を演奏した時の感覚は今でも忘れられません。ホナウドに感謝!