江藤有希
ヴァイオリニスト、作・編曲家

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リオ篇 1月26日(月)

2004.1.26 更新

朝から地下鉄に乗り、楽器屋さんのあるシネランジア駅でおりる。歩いて5分ほどの場所にそのマンションはありました。
部屋に迎え入れられ、奥から出て来たのは40歳前後の楽器職人フェルナンド。事情を話し、いくつか楽器をみせてもらう。最初にすすめられたのを弾いてみると、なかなか響きが良い。しかしそんな良い物を買う余裕はまったくないので「一番安いのを出して」と頼むと、1940年代の楽器を出してくれた。
弾いてみると・・うぅ、見事に鳴らない。それでも値段は今回の旅に持って来たオモチャ並の楽器の5倍はしてしまう。「日本にはメインのを置いて来ているし、お金もないから高いのは買えない」と話し図々しいことに「このへんに、良くなくていいから安いのをうっているお店はない?」などと聞いたら、なんと親切に電話帳を調べながら教えてくれました(なんかこうやって書いてると自分のケチ具合を再認識してしまう・・)。1940年代の楽器は保留ということにして紹介してもらった楽器屋に行くことにする。
行き先は楽器屋が集中しているカリオカ通りだったので歩いて移動。このあたりの楽器屋さんはいわゆるポピュラー楽器を中心とした品揃えで、ヴァイオリンを置いているお店は少ない。でも、教えてくれたお店にはありました。おじさんが2種類出してくれる。本体に弓とケースがついたセットになっていて、試していいということで弾こうとすると、まずチューニングするにも一苦労。安いには安いが、とにかく造りが悪く「とりあえず」というにも苦しい楽器(輸入品です)。まぁその値段で作れといわれてもとても出来ないことなので、仕方がないという気はしました。
ここでも保留にしてチェーンのカフェ「マテ・レオン」で休憩。マテ茶を飲みつつ考える。
経済状況からすると安い方。でも手を加えてもどうにもならないほど、良くない。1940年代のは弾きこめば鳴りそうだから仕事にも使える。でも高い・・。
ここで母に電話。事情を話すと仕事で使える方が良いのでは、と言われる。そうそう、そうだよねー!ついに借金の申し入れ!!そして銀行で大金をおろしフェルナンドのもとへ直行。ニコラにお礼の電話をし、喜んで帰宅。さあ楽器を弾きこまねば。