江藤有希
ヴァイオリニスト、作・編曲家

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濃くて幸せな、二日間のライブ・レポート。

2017.9.9 更新

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二日分のライブ・レポートをお送りします。

9/7(木)は、歌手・桑江知子さんと、ギター笹子重治さんのライブシリーズ「月詠み旅」@ラ・カーニャ、終盤に飛び入りさせていただきました!
しかも、いきなり、ぶっつけで、演歌(笑)。

それは、都はるみが歌った「北の宿から」。
この曲、私のルーツといっても過言ではありません。(キッパリ)
父は昔、オーケストラでフルートを吹いていましたが、都はるみが大好きで、江藤家ではなぜか都はるみとポール・モーリアがパワープレイされていました。
そして「北の宿から」は、私自身もとても好きな曲だったのです。

リハで桑江さんの歌う「北の宿から」を聴いて、思わず涙がでてしまいました。
あまりに、素晴らしくて。
本来、私が参加する予定ではなかったのですが、感動したことをお伝えしたら、本番では加わることに(笑)。
楽譜もなく、ぶっつけでしたが、大好きな曲を桑江さんの歌、笹子さんのギターで演奏できて、夢のようでした。

桑江さんと笹子さんのライブシリーズ「月詠み旅」は、この日が70回目だったそうです。
桑江さんの歌は、表現する言葉が見つからないくらい、素晴らしい。
言葉がすっと心に入ってきて、心地良くて、気づくとその歌の世界が自分の目の前に広がるかのようです。
そしてもし、言葉が分からないとしても、あの磨かれた歌声は、人の心を揺さぶらずにおかないだろうと思います。

いつもご一緒している笹子さんのギター。
この日の笹子さんのギターを聴いていて、私は「アートだなぁ」と思いました。
曲に、桑江さんの歌声に、繊細に呼応し、唯一無二の世界を広げる。
なんという、幸せな時間。
終演後は、たくさんの方からお声をかけていただきました。
桑江さん、笹子さん、皆さま、本当にありがとうございました!

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翌9/8(金)は、サウスコンシャス@平塚ウッドショップ。

ウッドショップは文字通り、材木屋さんが営むBARで、まるでログハウスのような木の空間が心地良いお店で、サウスコンシャスとしてはかなり久々の出演でした。
会場に入って、完全生音で演奏することになりました。
中西文彦さんが最近入手されたギターが、生でもよく鳴るバランスの良い楽器で、ウッドショップの木の空間と相まって、なんとも良い響きなのです。

ライブでは、ピアソラ作品やそれぞれのオリジナル曲、ブラジルの曲、映画音楽など、メロディアスで美しい曲を中心に演奏しました。
曲により、中西さんが変幻自在のソロを奏でます。
それを隣で味わえる役得。

終演後、ウッドショップのマスターから「生音でギターとのデュオで、音量をコントロールしながらあれだけ表現することができて、素晴らしい」と、お褒めの言葉をいただき、とてもうれしかったと同時に、思い出したことがあります。

実は、ヴァイオリンとギターは、音量差がかなりあります。
弓で弦をこするヴァイオリンは、音が伸びる楽器。
対して、指で弦をつまびくクラシック・ギターは、音を発した途端、音が減衰していく楽器です。
私は、一つ一つの音は減衰しながらも、豊かな響きをつくりだすギターという楽器にとても惹かれます。

以前「レンブランサ」というショーロ・ユニットで、初めてギターとデュオでアンサンブルを作ることになり、ギターの稲葉光さんとはかなりみっちり、練習し、ライブも重ねました。
その中で、いかにギターの音を殺さず、自分も心から歌うように弾けるか、かなりの試行錯誤がありました。
それは同時に奏法の研究でもありました。

マスターからの言葉で、その頃の試行錯誤を思い出しました。
その後、中西さんや、笹子さんといったギタリストとも継続的にアンサンブルを作る活動を続けるができ、今の自分の音色があるのだな、とあらためて思いました。
ご来場くださった皆さま、ウッドショップの皆さま、ありがとうございました!!
まかないのホワイトシチューご飯、美味しかった〜♪