江藤有希
ヴァイオリニスト、作・編曲家

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2ndアルバム・レコーディングのご報告。

2018.6.24 更新

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5月はライブがなく、体調をみながらなるべくゆっくり過ごしつつ、ひたすら2ndアルバムの準備や、音楽を聴きにいったりして、色々な栄養をもらっていました。

そして、6月前半、2ndアルバムのレコーディングを終えることができました。
4月の手術 から2ヶ月。
無事にレコーディングにたどり着くことができ、ご心配くださった皆さま、お世話になった方々に心より感謝申し上げます。

4日間のレコーディングの記録を残しておきます。

●6/7(木):1日目

 
(左から平野さん、歩さん、佐藤さん、江藤、笹子さん)
 

初日はギター笹子重治さん、チェロ橋本歩さんとのトリオ編成を中心に。
そして一曲、アコーディオン佐藤芳明さんにご参加いただきました!

よ、よよ、予想以上のサウンド。
佐藤さんにしか作れないような、空間の広がり。
聴いていてうっとりしてしまいました。
超ご多忙のなか、素晴らしい演奏に感謝です。
笹子さん、歩さんのプレイはもちろん、提案してくださるアイディアにもたくさん助けていただきました。
やはりこのメンバー、音を出しているときもそれ以外のときも、楽しく過ごせるのはとてもありがたいです。

そして、音を録ってくださったのは1stアルバム「hue」と同じく、スタジオハピネス・平野栄二さん!
これまで、私の音を一番たくさん録っていただいてます。
特にヴァイオリンのような、ちょっと「耳につく」ような要素の強い楽器は、録り方によってこうも違うか!
と思うことも多かったのですが(もちろん他の楽器もですが)、「hue」での音色が良いとたくさんの方に言っていただけたのも、平野さんのおかげなのです。
スタジオハピネスで、平野さんのもと、録音していく作業自体が楽しいことも、ありがたいことです。

皆さま、ありがとうございました!
(この時点であと一曲、書けていませんでした・・汗)

●6/10(日):2日目

 
(左から江藤、荒井さん、中西さん)

2ndアルバム・レコーディング2日目は、ギター中西文彦さんとのデュオ曲でした。

寂しさをテーマに、アレンジを確認しながら音づくりを進めていきました。
中西さんとのデュオユニット・サウスコンシャスでは、南米系の比較的ノリの良い曲が多いのですが、今回のオリジナルは、静かな、空間がキモになるような曲。
短い時間ながら繰り返し演奏することで、曲のあるべき姿が、自然に整っていったように思います。

中西さんならではの音色や、間合い。
このデュオらしく仕上がったと思います。

この日のエンジニアは、荒井哲さん。
それぞれの楽器の音色について、ミュージシャンが望むポイントを理解してくださって、気持ち良い音にしてくださいました。

中西さん、荒井さん、ありがとうございました!
録音はまだまだ続きます。

●6/11(月):3日目

 
(後列左から歩さん、景子さん、岡部さん、林さん、
前列左から江藤、笹子さん)

1曲目は、ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの為の作品。
この曲のアレンジがなかなか仕上がらず、ギリギリまで楽譜制作にかかっていました。
もし間に合わなかったら即興にしよう!などと心のなかで逃げ道をつくっていましたが、なんとか間に合って、いざ音出し。

ピアノ林正樹さん、ヴィオラ田中景子さん、チェロ橋本歩さん、ヴァイオリン江藤。
この組み合わせでの録音は1stアルバムhue収録の「sonolento」以来、3年ぶりです。
皆さまの素晴らしい音で、アレンジの心配も吹き飛びました。
林正樹さんは、テイクごとに色々なアプローチを試してくださって、それが聴くたびに素晴らしいので、同じブースで録っていた弦部隊3人は、その都度感動していたのでした。

2曲目は、このメンバーにギター笹子重治さん、パーカッション岡部洋一さんが加わり、最大編成の曲。
ライブですでに演奏していた曲ですが、部分的に弦アレンジを加え、華やかになったかなと思います。
私は田中景子さんのヴィオラの音色がとても好きです。
今回はすべて音符指定のアレンジでしたが、ライブではコード譜のみのお任せにも素敵に対応してくださる、心強いプレイヤーです。

このタイミングで記念撮影。
デザイナーの北川正さんに撮影していただきました。
なんか、巨匠がいっぱい!
北川さんには「hue」のデザイン以来とてもお世話になり、今回のアルバムもお願いしていて、すでに楽しみなアイディアもいただいてます。

3曲目、4曲目は笹子さん、歩さん、岡部さん、江藤で。
絶妙なテンポの違いで楽器の歌い方が変わってくる。
当たり前のようで、繊細な作業を何度か繰り返すと、皆が一致して「このテイクが良い」というものが生まれます。
岡部洋一さんの、初めてなのにすでに曲を知っている感と、あの音色。
やはり唯一無二と感じます。

録音は、スタジオハピネス・平野栄二さん。
無事に3日目を終えて、残すところあと1日となりました。

自分のアルバムとしては2度目のレコーディングとなる今回、音楽面ではもちろん、それ以外の面でも、ご参加くださった皆さまから学ぶところがたくさんあって、毎日感動の連続です。
一緒に音楽をつくってくださること。
楽しく過ごせること。
とてもありがたく、幸せなことで、それが日毎に深まる気がします。
身体の疲労感は増していきつつ、幸福感も増していく。
すごい体験をさせてもらっているなぁと感じます。
皆さま、ありがとうございました!!
作曲&アレンジのプレッシャーからも解放され、レコーディングは残すところあと1日です。

●6/12(火):4日目

 
(左から織原さん、歩さん、江藤、笹子さん、岡部さん)

ついに最終日でした!
フレットレスベース・織原良次さんにご参加いただき、まずは2曲。
細かい説明をせずとも、ギター笹子重治さん、パーカッション岡部洋一さんとのお三方から生みだされるグルーヴは、本当に気持ち良いです。
その上でチェロ橋本歩さん、私は楽しくやらせていただきました。

特に2曲目は、今回のアルバム中、最も難しい曲。
音数が多くて弾きづらくてとっても疲れるユニゾンの多い大変な曲なのですが(誰が作ったんだ)、織原さんは譜面を渡されたのが当日とは思えないほど素晴らしいプレイ。
ソロでもぐっと心をつかまれました。

3曲目は、笹子さん、岡部さん、歩さん、江藤で。
ライブですでに演奏していた曲ですが、岡部さん効果でさらに曲の個性が増しました。
あ、この4人で、7/11(水)青山プラッサ・オンゼでのライブが決まっています。

ここまでで全13曲。
予定曲をすべて録り終えました!
しかし、これで終わりではありません。

コーヒーブレイクの後、いよいよ岡部さんのパーカッション・ダビング。
すでに録った音に、パートによって色々なパーカッションを重ねていきます。
(中には楽器でないものも)
私は実は、この時間が好きです。
岡部さんが重ねる音は、そのひとつひとつ、音色にぐっときます。
そして、多層構造なので、最初は何をやっているのかわからない。
きっと岡部さんは音で空間設計をされているのだと思います。
仕上がったとき、「この曲、こんな曲だったんだ!」
と驚かされます。
それがすべて、カッコいい。
仕上がった曲を聴くと、本当に感動します。

ここまでで、すべての録音作業を終えました。
4日間、お世話になった皆さまに、心より感謝申し上げます。
連日長い時間、とてもやりやすい環境で録音してくださったスタジオハピネスの平野栄二さん。
ここからミックス作業に入り、平野さんとの往復書簡が始まるので、まだまだお世話になってしまいます。

ご参加くださったミュージシャンの皆さま、本当にお一人お一人が素晴らしく、感動の嵐でした。
音だけでなく、曲が少しでも良いものになるよう、一緒に考えてくださったり提案してくださったり、試してみることも楽しいことのひとつでした。

ずっとトリオで演奏してきた笹子重治さん、橋本歩さんにもたくさん助けていただきました。
常に曲全体をみて、的確なアドバイスをくださる笹子さん。
録り直すとき、「更新する!」と笑顔でこたえてくれる歩さん。
直しではなく、更新。素敵です。
皆さま、本当にありがとうございました!

アルバムは秋以降のリリース予定です。
どうぞお楽しみに♪